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論文

アクチノイドの溶液内複合反応研究と微少量分析法開発

大内 和希

放射化学, (49), p.3 - 7, 2024/03

本記事では、溶液内反応の基礎研究として、ウランの酸化状態の変化に伴う析出反応の解明とイオン液体-有機混合溶媒中のウラン(IV)塩化物の電気化学的挙動について紹介する。また、微少量試料の定量分析法への応用的研究として、マイクロ化学チップやポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いるアクチノイドの分離手法の開発について紹介する。

論文

ベントナイト中でのナトリウムシリケート水和物によるセメンテーションとその評価

西塔 祐稀*; 石渡 翔丸*; 堀内 美里*; 西木 悠人*; 菊池 亮佑*; 大竹 翼*; 川喜田 竜平; 高山 裕介; 三ツ井 誠一郎; 佐藤 努*

資源・素材講演集(インターネット), 11(1), 7 Pages, 2024/03

地下を利用した様々な工学技術(地層処分、地下貯留、石油増進回収等)において、人工バリアや岩盤のセメンテーションが注目されている。しかし、どのような鉱物でどのようにセメンテーションが進行して、どのような物性に変化するのかについての理解は不十分である。それらの理解のためには、実験室でセメンテーションを再現すること、セメンテーション後の構造の変化や物性の変化を詳細に調べることが重要となる。そこで本研究では、難透水性のベントナイト(乾燥密度0.6Mg/m$$^{3}$$)と、Na$$_{2}$$SiO$$_{3}$$溶液を用いて70$$^{circ}$$Cで浸漬および通水実験を行い、その後の内部構造、鉱物組成、透水係数の変化等を調べた。走査電子顕微鏡での観察結果から、浸漬および通水実験ともに、ベントナイトの空隙を埋めるようにナトリウムシリケート水和物(NSHあるいはNASH)が確認された。また、通水実験では、通水時間が長くなるにつれて透水係数の低下が認められた。本研究で示されたセメンテーション法やセメンテーション後の物性変化の詳細な検討法は、セメントとともに地下に設置されるベントナイトの物性変化や、貯留岩へのアルカリ攻法による帽岩への影響を調べる上で有用なものになると考えられる。

論文

The Role of silicon on solute clustering and embrittlement in highly neutron-irradiated pressurized water reactor surveillance test specimens

高見澤 悠; 端 邦樹; 西山 裕孝; 外山 健*; 永井 康介*

Journal of Nuclear Materials, 556, p.153203_1 - 153203_10, 2021/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:31.78(Materials Science, Multidisciplinary)

原子炉圧力容器鋼における中性子照射脆化に及ぼすシリコンの影響を明らかにするため、三次元アトムプローブにより、高照射量領域まで中性子照射された監視試験片中の溶質原子クラスタを分析した。高Cu含有材では、Ni, Mn, Siがクラスタ中心のCu原子を囲むように凝集し、コアシェル構造を形成するのに対して、低Cu含有材ではNi, Mn, Siがクラスタ中を均一に分布していた。クラスタ内のCu原子の数はCu含有量の減少と共に減少したが、それを補うようにSi原子数が増加した。材料中の公称のSi含有量の増加とともに、クラスタのギニエ半径は減少し、数密度が増加した。結果として、クラスタの体積率は一定であった。延性脆性遷移温度移行量とクラスタの体積率とギニエ半径の積の平方根が良い相関関係を示すことから、脆化の主要因は、溶質原子クラスタを転位が切断するメカニズムによる硬化であることが示された。また、Si含有量の増加により、クラスタの体積率は一定のままギニエ半径が減少することで脆化の程度を減少させることが示された。

論文

Investigation of strengthening mechanism in Ni-38Cr-3.8Al alloy with fine lamellar structure by in situ neutron diffraction analysis

小柳 禎彦*; 植田 茂紀*; 川崎 卓郎; Harjo, S.; Cho, K.*; 安田 弘行*

Materials Science & Engineering A, 773, p.138822_1 - 138822_11, 2020/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:19.16(Nanoscience & Nanotechnology)

The strengthening mechanism of Ni-38Cr-3.8Al (mass%) alloy with fine lamellar structure composed of the $$gamma/gamma'$$ and $$alpha$$-Cr layers, which is formed by discontinuous precipitation, was examined by in situ neutron diffraction analysis. The contribution of each constituent phase on the deformation behavior could be separated by the in situ analysis. The plastic deformation occurred preferentially in the $$gamma$$ and $$gamma'$$ phases, while the $$alpha$$-Cr phase deformed more elastically even beyond the yield point of the $$gamma$$ and $$gamma'$$ phases, which is similar to the cementite in pearlite of a steel. Fine nano-lamellar structure formed by the discontinuous precipitation is found to be mainly responsible for high strength of the alloys, while the influence of the $$gamma'$$ precipitates on strength is likely to be small.

論文

Migration of rhenium and osmium interstitials in tungsten

鈴土 知明; 山口 正剛; 長谷川 晃*

Journal of Nuclear Materials, 467(Part 1), p.418 - 423, 2015/12

AA2015-0099.pdf:0.62MB

 被引用回数:45 パーセンタイル:96.77(Materials Science, Multidisciplinary)

タングステンは将来の核融合炉のプラズマ対向被覆材として期待されている。しかしながら、材料を硬化させる照射誘起析出の発生が実用化に向けて課題とされている。照射誘起析出現象の出現を精度良く予測するには、レニウムやオスミウム等の照射下で核変換反応より生成される溶質原子の運動を把握することが重要である。本論文では、我々はアトミックキネティックモンテカルロ法を用いてこれらの溶質原子の運動を計算機シミュレーションより解析した。なお、溶質原子はタングステンと混合ダンベルを作っていると仮定した。解析の結果、回転障壁エネルギーが低いためこれらの混合ダンベルは3次元運動になり、その障壁エネルギーが拡散係数に大きく影響することがわかった。また、それらの3次元運動は空孔等の球状の欠陥の運動のような単純な運動モデルに帰結することができないことがわかった。

論文

Analysis of Ta-rich MX precipitates in RAFs

谷川 博康; 酒瀬川 英雄*; 橋本 直幸*; Zinkle, S. J.*; Klueh, R. L.*; 香山 晃*

Fusion Materials Semiannual Progress Report for the Period Ending (DOE/ER-0313/35), p.33 - 36, 2004/04

本報告は、日米協力に基づき著者が米国オークリッジ国立研究所において、High Flux Isotope Reactor(HFIR)を用いて行った研究の成果である。JLF-1やORNL9Crの靭性特性は、F82Hに比べて照射後の延性脆性遷移温度変化が小さく、優れていることから、これらの相違をミクロな観点から明らかにする目的で、析出物の分布を解析するために、各種フェライト鋼(F82H-IEA, F82H HT2, JLF-1とORNL9Cr)非照射材より抽出レプリカ試片を準備した。これらの試片について、TEMにより析出物のサイズ分布、SEMにより化学組成の解析が行われた。さらに、後方散乱電子像は、Ta-richな析出物をほかの析出物と分離するのに効果的であることを示した。F82Hについては、主な析出物はM23C6であり、形状は丸状である。一方、JLF-1とORNL9Crでは、析出物は細長い形状であった。MX析出物に関しては、F82Hではほとんど見られないが、非常に大きく、Tiを含んでいた。対照的にJLF-1とORNL9Crでは多くの微小なMX析出物が観察された。JLF-1やORNL9Crの靭性特性は、F82Hに比べて照射後の延性脆性遷移温度変化が小さく優れているが、これらの違いの一因に、Taリッチの析出物(MX系析出物)の存在形態がかかわっている可能性を指摘した。

論文

Analysis of extraction residue of HFIR 11J-irradiated RAFs

谷川 博康; 酒瀬川 英雄*; Zinkle, S. J.*; Klueh, R. L.*; 香山 晃*

Fusion Materials Semiannual Progress Report for the Period Ending (DOE/ER-0313/35), p.30 - 32, 2004/04

本報告は、日米協力に基づき著者が米国オークリッジ国立研究所において、High Flux Isotope Reactor(HFIR)を用いて行った研究の成果である。HFIR 11J照射された代表的なフェライト鋼(F82H, JLF-1, ORNL9Cr, NiドープF82H)を対象に、照射された鉄鋼材料について抽出残渣法によって得られた析出物のX線回折の解析を世界で初めて実施し、さらに照射によって生じた析出物に関する変化を調べるために、これらの析出物量の変化の測定が行われた。測定には2つの異なるフィルター(細かいものと粗いもの)が析出物の大きさから照射による影響を明らかにするために用いられた。同様に、これらは比較のため非照射材に関しても行われた。その結果、照射によってF82H, Ni添加F82H, JLF-1, ORNL9Crについては大きい析出物量は増加し、またJLF-1では微細な析出物が消滅していたが、Ni添加F82H鋼においては、微細な析出物の増加が見られた。以上の結果から、非照射下では変化が生じない温度域(300$$^{circ}$$C)であっても、照射下では顕著な変化が析出物分布に現れることが示された。

論文

X-ray diffraction analysis on precipitates of 11J irradiated RAFs

谷川 博康; 酒瀬川 英雄*; Payzant, E. A.*; Zinkle, S. J.*; Klueh, R. L.*; 香山 晃*

Fusion Materials Semiannual Progress Report for the Period Ending (DOE/ER-0313/35), p.37 - 40, 2004/04

本報告は、日米協力に基づき著者が米国オークリッジ国立研究所において、High Flux Isotope Reactor(HFIR)を用いて行った研究の成果である。HFIR 11Jキャプセルで照射された代表的なフェライト鋼(F82H, JLF-1, ORNL9Cr, NiドープF82H)を対象に、照射された鉄鋼材料の抽出残渣試料を対象とした、X線回折分析(XRD)による析出物解析を世界で初めて行った。さらに非照射材と時効材も同様に調べられた。その結果、M23C6の明瞭なピークはすべての試片について見られたが、特に照射後靭性の良好な鋼(JLF-1, ORNL9Cr)では、照射前に顕著であったTaリッチ析出物(MX系析出物)のピークが、照射後に消滅していることがわかった。このことからJLF-1やORNL9Crが照射後靭性特性に優れている理由として、照射によりTaリッチ析出物が分解され、Taが強制固溶したことによる可能性を指摘した。

報告書

陽電子親和力による量子ドット内閉じこめを利用した原子炉圧力容器鋼及びそのモデル合金(Fe-Cu)中の超微小銅析出物の形成過程と構造解明,原子力基礎研究 H11-034(委託研究)

長谷川 雅幸*; 永井 康介*; Tang, Z.*; 湯葢 邦夫*; 鈴木 雅秀

JAERI-Tech 2003-015, 137 Pages, 2003/03

JAERI-Tech-2003-015.pdf:9.03MB

材料試験炉(JMTR)で中性子照射した原子炉圧力容器銅のモデルFe‐Cuについて陽電子消滅実験を行い、照射によって生じたナノボイドや超微小Cu析出物を調べた。その結果、ナノボイドの表面は、Cu原子で覆われていること、このようなナノボイドは、約400$$^{circ}C$$の焼鈍でその内部の空孔が解離・消滅するために超微小Cu析出物となることを見いだした。また、照射脆化に重要な役割を果たすと考えられているNi,Mn,PなどをFe‐Cuモデル合金に添加した効果を調べた結果、(1)NiやPは、ナノボイド形成を促進するが、Mnは逆に遅らせること,(2)約400$$^{circ}C$$の焼鈍によって生ずる超微小Cu析出物はほぼ純銅でこれら添加元素を含んでいないこと、などを見いだした。さらに単結晶Fe‐Cuの陽電子消滅2次元角相関(2D‐ACAR)測定から、Fe中に埋め込まれた超微小Cu析出物(体心立方結晶構造)のFermi面を求めた。この結果はバンド計算の結果と良く一致した。FeCuモデル合金中のCu集合体の陽電子親和力閉じ込めの理論計算を行い、約1nm以上の埋め込み粒子になると陽電子量子ドット状態が実現することがわかった。

報告書

アルカリ溶液中での花崗岩の変質挙動

大和田 仁*; 三原 守弘; 黒木 泰貴*; 有本 邦重*

JNC TN8400 2000-027, 19 Pages, 2000/08

JNC-TN8400-2000-027.pdf:1.8MB

セメント系材料と地下水とが接触することによって発生する高アルカリの浸出液の流れ(高アルカリプルーム)が、高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の処分場周辺の環境に及ぼす影響のうち、岩盤への影響を調べるため、変遷初期及び中期のセメント系材料からの浸出液を模擬したアルカリ溶液および低アルカリ性セメントの実浸出液(LW)への花崗岩の80$$^{circ}C$$での浸漬試験を行った。浸漬前後の浸漬液の組成及び岩石の鉱物組成を調べたところ、模擬浸出液を用いた試験では、花崗岩に含まれる長石類等からのSi及びAlの溶出とC-S-Hの析出とが確認された。このことによって、高アルカリの浸出液によって、処分場周辺の岩石が影響を受け、核種の移行遅延効果に影響を及ぼす可能性があることが明らかとなった。一方LWを用いた試験では、岩石からの成分の溶出は観られず、液相のSi,AlおよびCaの減少が確認され、C-S-H、C-A-S-H等の2次鉱物として析出したことが示唆された。これらの結果から、高アルカリプルームは岩盤との反応による透水係数の変化や、2次鉱物の析出による分配係数の変化などの処分環境の変化の原因となる可能性があることが分かった。これに対して、LWでは、比較的短期間に花崗岩との平衡に達するので、前述のような処分環境への影響は比較的小さく、またその影響の及ぶ範囲も狭くなることが考えられた。

報告書

セメント系材料の浸出液の地質媒体への影響評価-大型カラム試験設備を用いた高pHプルームの岩盤への影響試験-

加藤 大生*; 佐藤 光吉*; 大和田 仁*; 三原 守弘; 大井 貴夫

JNC TN8430 2000-008, 53 Pages, 2000/05

JNC-TN8430-2000-008.pdf:4.8MB

TRU廃棄物の処分システムには多量のセメント系材料の使用が検討されており、セメント系材料からの高アルカリ性の浸出液の拡がりによって処分場周辺岩盤が溶出し、二次鉱物が析出すると考えられている。この浸出液の拡がりは高pHプルームと呼ばれている。高pHプルームは地下水の流れに沿って徐々に拡がることから、二次鉱物を含む岩石の性状や地下水の成分は時間的あるいは空間的に変遷することが予想される。しかし、これまで二次鉱物及び地下水成分の時間的、空間的変遷についての知見は得られていない。このため、本研究では二次鉱物及び地下水成分の変遷に関する知見を得ることを目的としたカラム試験を実施した。総延長4m、内径3.7cmの大型カラムに粉砕した花崗閃緑岩を充填し、80$$^{circ}C$$の恒温槽中においてpH13.3の模擬セメント浸出液(Na:0.1mol/l、K:0.1mol/l、Ca:0.002mol/l)を流量0.1ml/minで7ヶ月間通水した結果、カラムの上流においてカルサイト及びC-S-H系化合物、中流から下流にかけてはC-S-H系化合物が岩石の表面に二次鉱物として析出し、4m先まで高pHプルームの影響が及んでいることを確認した。また、Na、Kが支配的な模擬セメント浸出液では、岩石との反応によるpHの低下がみられなかった。本研究により、高pHプルームの流れに沿った二次鉱物及び地下水成分の変遷に関する基礎的な知見が得られた。

論文

On the grain boundary segregation of Sn in indium-tin-oxide thin films

森川 浩志*; 倉田 博基; 藤田 美弥*

Journal of Electron Microscopy, 49(1), p.67 - 72, 2000/04

 被引用回数:11 パーセンタイル:51.46(Microscopy)

液晶ディスプレイの透明電極等で広く利用されているインジウム・スズ酸化物(ITO)は、スズのドープ量により伝導性が変化することが知られている。本研究ではITO薄膜中のスズの析出挙動を研究する目的で、走査型透過電顕(STEM)と電子エネルギー損失分光法(EELS)による観察・測定を行った。その結果、ドープされたスズの一部は結晶流界に析出することを明らかにし、その挙動は、出発物質である非晶質ITO薄膜の熱処理条件に依存することが判明した。また、析出領域は数nmの範囲であり、STEM-EELS法による局所分析法の有効性も明らかになった。

報告書

原子力関係材料の電子線照射効果に関する基礎研究

蔵元 英一*; 阿部 博信*; 大沢 一人*; 竹中 稔*; 長谷川 信; 平野 耕一郎

JNC TY9400 2000-007, 50 Pages, 2000/03

JNC-TY9400-2000-007.pdf:1.29MB

本報告書は、九州大学応用力学研究所と核燃料サイクル機構が、「原子力関連材料の電子線照射効果に関する基礎研究」に関して、共同で実施した研究成果をとりまとめたものである。本研究の目的は、原子炉中性子などの照射環境下で使用される原子力関連材料(鉄銅合金他)の特性変化の基礎過程を明らかにするために、これらの材料に対する電子線照射効果を実験的手法および計算機シミュレーションなどを通してその基礎的側面から解明していくことである。高純度の鉄中における照射欠陥と銅原子の相互作用に関して、電気抵抗測定、陽電子消滅寿命測定などからそのミクロ過程に関する情報が得られた。すなわち照射で導入された原子空孔、格子間原子と強い相互作用を有して等時焼鈍回復過程に大きな影響を与えることが判明した。このことは銅原子の照射促進析出に繋がるものとして重要な結果である。また、種々の欠陥集合体に関する計算機シミュレーションをモデル結晶中で行い、その原子構造、動的挙動、転位との相互作用などに関する情報が得られた。格子間原子の微小集合体はサイズの増大とともに転位ループとしての性質をもち、移動の活性化エネルギーも低いなどの結果が得られた。また、今後の課題も明らかにした。

報告書

改良オーステナイト最適化鋼の開発(II) - 試作被覆管の炉外試験評価 -

上羽 智之; 水田 俊治; 鵜飼 重治

JNC TN9400 2000-028, 41 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-028.pdf:2.52MB

改良オーステナイト最適化鋼(14Cr-25Ni鋼)は改良オーステナイト鋼(15Cr-20Ni鋼)の更なる耐スエリング性能を改善するため改良を行っている炉心材料である。この改良では照射中の析出物の微細・安定化を図るために、Ti,Nb,V,Pを複合添加し高温溶体化処理によってマトリックスに固溶させている。更に、最終冷間加工において加工度の増加と同時に残留応力を低減化している。14Cr-25Ni鋼の試作被覆管について実施している炉外試験のうち、組織観察(製品まま)、固溶量測定、結晶粒度測定の結果を評価し、以下の結果が得られた。(1)組織観察では、粒内に球状の析出物が認められた。EDXによる組成分析の結果、この析出物はTi,Nbの複合炭窒物[Ti,Nb(C,N)]がほとんどであった。(2)固溶したTiとNbの添加量に対する割合はそれぞれ70%、30%程度であった。未固溶のTi,Nbは未固溶CとMC型の炭化物を形成している可能性がある。(3)添加元素をマトリックスに十分に固溶させるために溶体化処理温度を高温にすると結晶粒が粗大化しやすくなり、超音波探傷検査におけるシャワーエコーの発生原因となる。結晶粒度測定の結果、Nbの添加量を標準鋼(0.2wt%)よりも少なくした鋼種(0.1wt%)では粗大粒の発生が少なく、Nb添加量の減少による結晶粒度制御の効果が確認できた。また、合金元素の固溶を促進させるために溶体化処理温度を高くしても、例えば中間冷間加工度を高めにすると同時に中間熱処理温度も高くするなど中間冷間加工と中間熱処理の条件を適切に設定することにより結晶粒の粗大化を抑制できる可能性がある。

報告書

晶析法におけるPu(IV)挙動把握試験

矢野 肇*; 半沢 正利*; 近沢 孝弘*; 西村 建二*

JNC TJ8400 2000-061, 92 Pages, 2000/03

JNC-TJ8400-2000-061.pdf:8.79MB

晶析法は不純物を含む大量のU溶液から、Uのみを部分的に回収するのに適しておりPUREX法を基盤とする新しい再処理施設の要素技術として適合すると思われる。昨年度までに、溶解液へ晶析法を適用した再処理プロセスは十分なメリットを有することが確認されている。しかし晶析法適用プロセスの検討に必要なデータのうちPuの析出に関するデータは乏しい。そこで本年度は、晶析法適用プロセスにおける想定晶析条件下でのPu(IV)の挙動を把握するためのビーカ試験を英国AEA Technology Harwell研究所にて実施し、結果の評価を三菱マテリアルが実施した。試験内容は、想定する晶析供給液濃度付近でのPu(IV)単身でのPu結晶又は凝固温度の測定であり、以下の6パラメータについての試験を実施した。試験結果は以下の通りである。・硝酸プルトニウムの結晶が生成する可能性が高いと想定された200gPu/l,6M HNO3及び200gPu/l,4M HNO3で硝酸プルトニウムの結晶は生成せず、H2Oの固体及びHNO3・3H2Oの結晶混合物が生成している。・残りのPu濃度が低い溶液についても同様である。・従って、Puの原子価が4価の場合には、晶析法適用プロセスにおける想定晶析条件下で硝酸プルトニウムの結晶の生成の可能性はないと言える。・試験結果から、Pu(NO3)4-HNO3-H2O系の溶解度データを作成した。

論文

Microstructure and hardening in thermally aged and neutron-irradiated Fe-Cu model alloy

河西 寛*; 鈴木 雅秀

Effects of Radiation on Materials (ASTM STP 1366), p.492 - 515, 2000/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:65.28(Materials Science, Multidisciplinary)

鉄-0.6wt%銅合金の組織の関して、JMTRで290$$^{circ}C$$で0.0055dpaまで照射した後、電子顕微鏡を用いて銅の析出挙動を観察し、熱時効材及び純鉄との比較を行った。熱時効材では2種類の銅析出物が観察された。第1のタイプは非常に薄く双晶のないもので、熱時効とともに厚みが増加し、大きさと密度が減少した。第2のタイプは双晶を含む微細な析出で、熱時効による硬化の過程でほとんど変化しない。このため、熱時効による硬化は第1のタイプのものによると考えられた。一方、照射では大きく硬化するが、第1のタイプが消失するのに対し、第2のタイプは消失しなかった。照射材では鉄の(110)回折パターンのうえに、2つの(111)パターンが観察されたが、その一つはCu$$_{3}$$Feによるもの、もう一つはFe$$_{3}$$O$$_{4}$$によるものと考えられた。照射による大きな硬化は前者の生成によるものと結論された。

論文

Effects of neutron irradiation on tensile properties in high-purity Fe-(9-50)Cr and Fe-50Cr-xW alloys

若井 栄一; 菱沼 章道; 三輪 幸夫; 大内 朝男*; 磯崎 誠一*; 高木 清一*; 安彦 兼次*

Materials Transactions, JIM, 41(1), p.136 - 140, 2000/01

高純度Fe-(9-50%)Cr及びFe-50Cr-(0-8)W合金の引張特性に対して中性子照射の効果を調べた。これらの合金はSS-3タイプの形状の引張試験片にし、加工層を取り除いた後に、原子炉(JRR-3M)において、400、500、600$$^{circ}$$Cの3温度で約0.4dpaの弾き出し損傷量まで照射された。照射後、多くの試験の場合、照射と同じ温度で、真空中にて4.4$$times$$10$$^{-4}$$s$$^{-1}$$の引張速度で引張試験を行った。この照射によって、これらの合金の降状強度と引張強度は増加した。また、照射によるそれらの強度の増分はこれらに添加したクロム量及びタングステン量の増加に伴い、大きくなる傾向になった。これらの合金の引張特性は多くの場合、延性的な挙動を示したが、500$$^{circ}$$C以下で照射されたFe-50CrとFe-50Cr-W合金においてのみ、それらの引張試験において、延性が生じないまま、脆性破断が生じた。これらの合金の引張特性は脆性的な挙動を示した温度及びクロム量の領域が状態図における約500$$^{circ}$$C以下での脆性領域に非常に近いことから、照射によって形成される$$alpha$$'相と格子間型転位ループに密接に関係していると考えられる

論文

Properties of precipitation hardened steel irradiated at 323K in the Japan Materials Testing Reactor

新見 素二; 松井 義典; 實川 資朗; 星屋 泰二; 塚田 隆; 近江 正男; 三村 英明; 大岡 紀一; 秀 耕一郎*

Journal of Nuclear Materials, 271-272, p.92 - 96, 1999/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:40.64(Materials Science, Multidisciplinary)

析出硬化型630ステンレス鋼の引張試験片、破壊靱性試験片及びシャルピー衝撃試験片をJMTRにおいて冷却水温度である325Kにて照射した。速中性子の照射量は最高で1.2$$times$$10$$^{26}$$m$$^{-2}$$(E$$>$$1MeV)である。試験温度は引張及び破壊靱性試験を293Kで、シャルピー衝撃試験は273~450Kの範囲で行った。引張強さは速中性子照射量7$$times$$10$$^{24}$$m$$^{-2}$$付近で1600MPaのピークを示し、それ以降は、1500MPa(1.2$$times$$10$$^{26}$$m-2)付近まで照射量とともに徐々に低下した。伸びは未照射材で12%程度、7$$times$$10$$^{24}$$m$$^{-2}$$までの照射で7%に低下した。破面観察結果は破壊が延性的であったことを示した。破壊靱性値は照射によって未照射材の約半分に低下した。破壊靱性試験片では、へき開破面が支配的であった。シャルピー衝撃試験によるDBTTは照射によって60K上昇した。

論文

Electrochemical behavior of actinide ions in LiCl-KCl eutectic melts

白井 理; 岩井 孝; 鈴木 康文; 坂村 義治*; 田中 博*

Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.685 - 688, 1998/00

 被引用回数:85 パーセンタイル:94.86(Chemistry, Physical)

ウラン及びプルトニウム塩化物を含むLiCl-KCl共晶塩系での電析・溶解反応をサイクリックボルタンメトリーにより検討した。ウラン及びプルトニウムの塩化物の調製法を紹介し、これら塩化物を原料として0.5~1.0wt%のUCl$$_{3}$$あるいはPuCl$$_{3}$$を含むLiCl-KCl共晶塩系で作用極にタングステン及びモリブデンを用いて723K~823Kで測定を行った。ボルタモグラムの解析から、ウラン及びプルトニウムの電析溶解反応は若干非可逆性を帯びていることがわかった。また、アンダーポテンシャルデポジションによる作用極表面へのウラン及びプルトニウムの吸着波及び脱着波が観察されたが、これらの反応により電析・溶解反応が複雑化しているため、解析が困難であることも述べる。なお、ウランの場合は、U$$^{3+}$$/U$$^{4+}$$のレドックス反応が観察されるが、この反応は可逆であった。

論文

Vaporization behavior of neptunium mononitride

中島 邦久; 荒井 康夫; 鈴木 康文

Journal of Nuclear Materials, 247, p.33 - 36, 1997/00

 被引用回数:12 パーセンタイル:67.93(Materials Science, Multidisciplinary)

アクチノイド-窒化物はTRU消滅炉用燃料の候補の1つに挙げられているが、燃料設計に必要な情報は乏しく、それらの特性理解が望まれている。ここでは、クヌンセンセルと四重極型質量分析計とを組み合わせた実験によってネプツニウム窒化物NpNの蒸発挙動を初めて測定した。その結果、Np分圧の温度依存性は金属Np上のNp分圧の挙動に近いことが解った。したがって、NpNの蒸発挙動ではU金属が析出するUNの場合と同様、金属Npの析出が示唆された。また、今回得られたNp分圧と文献から得られる窒素分圧の外挿値およびNp(g)の生成自由エネルギーから計算されたNpNの生成自由エネルギーは、過去に報告されているUNとPuNの生成自由エネルギーに対してほぼ中間的な値を示すことが解った。

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